昨年栽培したジャガイモは3種類。
何種類もある品種の中で3種類を決めるのは難しかったですが、
出来るだけ特徴と違いのある3つを厳選してみた。
いったいどれが売れたり評判がいいのかどれも未知数でした。
「インカのひとみ」種芋6kg
独特な風味と味に特徴のある品種。
インカのめざめというのもありますが、個体サイズがコチラのほうが
大きいため、「売る」という前提なので、収穫量でこれを選出。
「ノーザンルビー」種芋11kg
これは変わり色と言う面での勝負品種。
紫芋というより、どちらかと言えばピンク色。さほど抵抗のない淡い色だ。
同じ系統で「シャドークイーン」という紫品種がありますが、
あちらはかなり色が濃く、巨峰のような色。
個人的にはちょっと度が強い紫色なので、避ける事にしました。
「十勝こがね」種芋12kg
見た目は至ってノーマルな品種。
色といい、形といい、どこから見てもただのジャガイモだが、
知る人ぞ知るこだわりの品種。
男爵のようなホクホク感を持ちながらも、メークインのように煮崩れしない。
そして貯蔵性、日持ちもかなり良いという。
まさにミスタージャガイモというくらい、良いとこどりな品種。
栽培方法はどれも同じ感じで、基本はマルチ栽培。
一部、マルチ無し栽培で比較&実験もしました。
途中過程は以前書きましたので、今回は結果編。
無農薬、肥料は元肥に硫安一発のみという、結構大胆な栽培方法でしたが
特に問題も無く育ちました。
「マルチだと土寄せは?」という問題も、いざ栽培してみると
なにも案ずる事は無かった。
一旦マルチをめくり上げて土寄せする方もいらっしゃいますが、
かなり面倒くさいのでしませんでした^^;。
逆にマルチがあるので、芋の緑化防止&害虫の侵入防止になりました。
マルチ無し栽培のほうが虫に喰われてる率が若干高い。
大抵は「コガネムシ」系の幼虫の仕業。
食べるというか、土の中で移動の最中にイモにぶち当たって、
その流れでかじった、というのがたぶん正解でしょう。
この被害をモロに喰らったのが、例の新しく手に入れた圃場。第五の畑。
10年以上、全く何も作付けされてなかった耕作放棄地なので、
かなり未知数な圃場でしたので、、あまり難しい野菜の栽培は怖い。
とりあえずジャガイモくらいから様子を見るか。。。という
試験栽培と言う事で、インカのひとみと十勝こがねは
この圃場で栽培。
牛糞と硫安のみの割にはスクスクと育って言ったので
「なんとかなりそうだな」
と思っていたが、試し掘りで元耕作放棄というその洗礼を受けた。
愕然として画像を撮り忘れたのですが、
「ものすごいかじられっぷりである・・・。」
ネズミ?モグラ?いったい何が・・・?というくらい
ボロッボロ率がハンパなかった。。
(後々、コガネムシのたぐいの可能性が高いと知りました)
売り物になるのはせいぜい3~4割程度。
あれもダメ、これもダメかと、かなり憂鬱な選別。
無事だったイモだけを残し、後はゴミになってしまった。
しかし味は良い!
「ほお~~」と言う様な何とも表現しがたい味。栗に近いかな。。
ただ、種芋のコストと収穫量の少なさを考えると売るには難しい品種。
ましてや新じゃがピーク時なんかは普通のジャガイモが激安状態になるので、
コストにあった金額をつけたら倍近い値段を設定しないといけない。
もちろん、そんな値段では売れない。
なのでほんの少し割高くらいで販売したが、値段はともかく、
味の評判だけはかなり高く、特にパートさん内で「おいしい」と広まり、
パートさんがほとんど買って行ってしまった。。。
90袋ほどしか出荷できなかっし、1袋150円ほどの価格で、
種芋代等のコストをひいたら
1万円くらいの粗利にしかならなかった^^;。。
売れるが儲からない品種だった;;。。。
もう少し高値(まっとうな価格)で売れれば見込みはありそうですが、
高いけど美味い!で浸透させるにも、たかがジャガイモ、、、
希少価値で高価格で勝負するにも限界があると思いました。
一方、
ノーザンルビーは逆に想定を超えて良い結果が出た。
コイツだけは圃場を変えていたので虫喰い被害もほとんどなく、
収量も高かったし、健康に育ちました。
コツコツですが、毎日それなりに売れていきました。
味は特にメークイン的な感じで特徴が浅いですが、
色がキレイなピンクと言う事くらいのウリですが、約300袋を販売。
隣で例のシャドークイーンを誰かが売ってましたが、すんごい紫で
やはりエグ過ぎると思った。あんま売れてる感じじゃなかったので、
避けて正解でした^^;。。
種芋コストをひいたら3万5千円くらいの粗利でしょうか。。
それでも4万ないんだからなあ;;。。泣けて来る;;。。。。
そして個人的に大本命だったのが十勝こがね。
本来はこれがメイン。
「ホクホク系なのに、煮崩れしにくい!!」
このキャッチフレーズで是非販売したかった。
がw、
この十勝こがねには致命的な欠点がある。。。
それは栽培が少し難しいという事!
おもに、「ス」が入りやすいという欠点がある。
大きい個体は特にスが入りやすいのはどのジャガイモも良くある事
ですが、この十勝こがねは小さな個体でも、栽培方法がしっかり
してないと、「ス」が入る。「ス」というか、中心空洞だ。
例のインカのひとみで散々だった第5圃場だったので、
かなり憂鬱な芋掘りでしたが、インカのひとみほどは虫喰いもなく、
まずまずの収穫量と出来栄え。見た目は全く問題ない。
問題は切ってみてどうか。。。という最終検査。
・・・が。。。
「う~~わwマジかあ~~」
いかにも怪しそうなのを切ってみたら案の定だった。
しかし、怪しくなさそうな小ぶりなのを切っても、たまにこうなっていた。。
野菜の出荷で怖いのは、味とは別に大きく2つある。
1つは「虫が入ってしまう事」
そしてもう一つは「切ってみないとわからない野菜」
ジャガイモなんかは当然後者だ。
味は前評判通り悪くない。ホクホクして煮崩れも少ない。
しかし、こんなイモは売れない。。。買ってもらえないじゃなく、
売るのが怖くて売れない。
買って来て、切ってみたらこんなんだったら、美味い不味い以前の
段階でクレーム行き直行だ。。。
自家消費する分には良い。そこだけ取り除けばいいのだから。。
しかしメインだけあって、300kg~400kgも収穫してしまっているw
(何とか吟味して少しでも売るべきか・・)
(いや、もしも不良品が混じってしまったら・・・)
そんな事を考えて、収穫してから1カ月も経ってしまった。。。
結局、、、
売るのを断念しました
レントゲンでも撮らない限り、どうにも中心空洞の見分けがつかない。。
水に1個1個浮かべたって正確な当てにはならない。。。
ということで、1つも売る事なく終わった十勝こがね。
無念・・・。
ただ、貯蔵性はかなり高いので、芽も出ず未だに倉庫に残ってる。。。
多少シワシワですが、今でもカレーとかに使ってるw
こんなわけで、
栽培規模の拡大の恐ろしさをかなり実感した12年。
当たれば大きいけど、壊滅したらとんでもないただのゴミだ・・・。
まあ、ジャガイモは他にもいろんな品種が沢山ありますが、
とりあえず味・色・王道の3種でそれぞれ選んで栽培したこの3種。
家庭菜園での小規模栽培なら、インカのひとみはおススメ。
種芋は高いけど、味が面白いし特徴がある。
ノーザンルビーは初心者でも作りやすいのが良い特徴。
シストセンチュウなどの病気にも強く栽培しやすい。
十勝こがねはチャレンジャー向きw
スーパー等ではなかなか売ってないので、自分で作るしかない^^;。
自家消費なら多少の問題は気にならない。。
こんな感じで、父とは別に本格的にジャガイモに取り組んだ12年。
今年はどうしましょう・・・。
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コメント
コメント一覧 (2件)
はじめまして
昨年から家庭菜園をはじめた一年生です。
私はシェリーという赤いお芋と
シンシアというお芋を作りました。
どちらも美味しかったです。
今年はシンシアと紹介されていた
十勝こがねを栽培してみようと思います。
>まーやママさん
十勝こがね、難しいですよw
まあ、、僕の作り方が悪かったと思いますが・・・^^;
シンシアは若干十勝こがねに栽培過程が似ているので参考にしてみては?と思います。
チッソ控え目が中心空洞を出さないコツだそうです。
煮ても崩れない、冷めてもおいしい、油とも相性が良い、と、上手く出来ればかなり優等生なジャガイモです。
是非頑張って下さい!