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だから植えるのが早いんだって・・・

 最近、というか、この時期になると、

近所のとっつあん、や、おばさん連中によく聞かれる。

「うちのナスが元気がないけど見て」とか、

「○○が全然成長しないんだけど、、大丈夫かね~;;?」と。

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 そんな相談に僕の答えはほぼ毎回一緒。

「おばちゃん、植えるのが早いんだよ・・・」

もう、何度同じことをいろんな人に言った事か。。。

 気持ちはわからんでもない。

だってホムセンでも直売所でも、4月になればいっぱい苗売ってるからね。

売ってるから=植えてもいいような気分になる。

4月といえど、苗も立派だし、そのままいけそうな気になって、

ついついみんな買っていく。

その苗のほとんどが「ハウスで育てたもの」という事を忘れちゃいけない。

2月からハウスで30℃前後で育てた苗。

4月に露地に植えてそのままの勢いで育つはずがない。

 ナスやピーマンなんか、生育適温は25~30℃。

15℃くらいの低温で生育は止まる。

 今年の4月だって中間地で最低気温5~7℃。

最高気温でやっと22度くらい。

そんな時期に植えてもダメだって><;っていつも言ってるのに、

今年も同じことをみんなやらかす。。。

んで、肥が効いてないと思い込んで肥をやたらやったり、

水をザブザブやったりする。

焼け石に水である。原因が違うのでほぼそれで回復は無い。

 どうしたら?と極論を聞かれれば、

「連作になる前に、抜いて新しい苗植えたほうがいい」

と、僕ははっきり言う。

田舎だからね。誰かが植え始めたり、どこかで売り始めたら、

待ってましたとばかりに皆、植え付けが早い。

 初夏の野菜は初夏の気温、真夏の野菜は真夏の気温。

冷静に考えればどれもその気温を確保して育つもの。

それをキープ出来ないのなら早植えする意味が僕にはわからない。。

でもまあ。自分と同じ野菜作りに関わってる以上、

何とかしてあげようと、一銭にもならない出張作業するのが自分。

「センセー、センセー」とか言うおばちゃんもいるが、

僕も独学の素人。

わからん事は「わからん!」とはっきり言います!。

 ついでなので、苗に関してもう2点ほど注意点。

(以前書いたかもしれませんが・・・)

前途で述べたみたいに、野菜によってはある程度気温が下がると

生育が止まる。

なので、例えば店で20cmほどのナスの苗が売られていたとしよう。

これが今の時期や6月なら当然店頭で日々成長していく。

しかし、4月くらいでは気温が足らずに成長しない。20cmのままだ。

 この意味が分かるかな・・・??

苗も馬鹿デカくなると売り物にならない。

しかし、4月に苗業者も出荷すれば、低温によりずっと20cmのまま。

店頭に置いておける期間が長く、業者も店も得をする訳だ。

お客は何もわからないから、あたかも種からグングン育って、

今20cmだと勝手に思い込む。

だが実際は20cmに到達してからすでに3週間くらい経ってる、

なんてこともある。

つまり見た目は若そうに見えて、実はずいぶん歳を食ってるという事。

これが老化苗。

根詰まりをおこし、成長はおろか、活着自体も厳しい。

2月に播種して今20cmの苗と、3月に植えて今20cmの苗では

見た目は一緒でも全く違う。当然若い後者のほうが良い。

これの見極めはちょっと面倒なので、今回は省略。

 まあ、暖かくなれば育苗期間も短くなるので、おのずと

若い成長盛りの苗が出回るようになるので、早買いはやめる事です。

 あともう一点は苗業者・ショップの罠にはまらないように。

4月に植えても失敗する苗を、何故4月に売るか?

答えは簡単w

失敗すれば、もう一回買いにくるからだ。

これは実際、苗を売ってる僕側からでもはっきり言える事実。

生産者のモラルにもよるが、別に反則ではない。

病気の苗を売るのはご法度だが、健全な苗なら別にいつ売ろうが

生産者の勝手。買うのも客の勝手。

 夏にスノボ売ろうが、冬に水着売ってもお店の勝手ということだ。

ホムセンの苗業者は知らないけど、直売所の苗専の生産者は

この辺を上手い事戦略を練っている。

4月5月6月と、常に苗を補充して来る。

4月に植えて失敗した人が、買い直しでまた購入する事を計算してる。

 もっと言えば、初夏の台風まで想定してる。

うちのような簡易ハウスでは台風が来れば育苗どころではないが、

ガッチリ作りのハウスで苗を作ってる生産者は、

台風が来るとウハウハなのだ。

 慌てて植え替えの苗を求める客は来るし、簡易ハウスで苗を

生産していた人はダウンしてるので、

需要はあるわ、オマケに独占出荷・販売になるわ。で、

ぼろ儲けになる。

 いつ、何が起きるかわからないので、苗専の人は、

「もう皆、この野菜は植えつけて、これ以上需要はないだろう」

と、思うような野菜でも、ギリッギリまでそれでも苗を作り続ける。

 こんな感じで、苗販売・購入に関しても意外に奥が深いのです。

話がだいぶそれちゃいましたが、

「夏野菜の早植えと老化苗には気を付けましょうね」

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (4件)

  • (´・ω・`)早出しの苗はハウス栽培農家のついで(余り苗)ですからね。
    トマトなどは早めに買って温室で脇芽の押木をすると丁度良い苗が出来ますからね。

  • >(´・ω・`)さん
    ですよね。
    早く植える人に限って、何の保温対策もしてないので、アドバイスにも苦労します・・・。
    周りの人は皆早いですが、
    僕は後手後手で逆に作業が遅いです;;。

  • ブログが再開してとてもうれしいですw
    私は、初めて栽培する種類の野菜に限って
    地域一番の「野菜の作り手」が植えた翌日に
    真似して作業をする「隣百姓(となりびゃくしょう)」という方法を採っています。
    ちょっとずるいけれどまず失敗がありませんね。
    学ぶの語源が「まねぶ」なのがよくわかります。

  • >家庭菜園家さん
    それは実に正解ですね。
    出来る人から学ぶ、まねるは大事だと思います。
    うちは周りに農家がいないので、まねる相手も学部相手もいません。;;。
    野菜作りは1年に何度も挑戦できるものではありません。
    その道何年、そんな人が身近にいれば、それを学ぶことが何より近道だと思いますよ。

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