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青年就農給付金ー9「舐めてた農地の贈与」

 農閑期にも入り、地獄の正月も終わり、そして給付金もおりた。

そして体調を一気に壊してグッタリしてた1月。。。

まあ、春に備えて今は身体を休めよう・・・。

そう思ってた矢先、、農務課から1本の電話が入る。

 
 事の発端はこの給付金申請を始めた初期の段階の出来事。

まずは自分の農地を手に入れる事がまっ先に取り掛かる事だったので、

その相談を農務課と話してました。

 農地は父名義でのがあるので、それで進むのが妥当な訳で、

「じゃあいっそ現状の農地を僕名義に変えよう」と言う事になった。

いわば「生前贈与」だ。

 すると担当がこうアドバイス。

「それなら農地すべてを一括贈与すれば贈与税がかからないですよ

かからないというか、正確には猶予される。

つまり、本来かかる贈与税を、真面目に今後農地として活用している間は

請求されないというシステム。犯罪の執行猶予みたいなモノw

ほほお~~。。

 今後父が亡くなれば、相続するのは自分(兄は農地相続放棄了承済)

なので、「んじゃあ~それでいいじゃんw」

 どの道自分名義にいずれなる農地、贈与税がかからないなら

まとめてこの際、相続を待たず、生前で贈与しよう。

農地全部一括なら贈与税もかからないなら尚更何の問題も無いし。

 そんな流れで書士さんに手続きを頼み、

そして僕も農業委員会の面接と許可を得て、晴れて自分の農地を得ました。

別にまあ、親子間の貸借契約でもよかったらしいのですが、

借りた農地で農業を始めるよりも、自分名義の農地を取得したという

行為自体が、給付金申請にとって、大きな追い風になったと思う。

借りると取得では、今後農業をやって行くぞ!という意気込みというか、

審査側から見ても覚悟や信用性が変わってくるからだ。

「そこまでやったんなら応援しよう」と、お役所も強く後押ししてくれる。

 そんな流れで農地を無事取得し、給付金も通り、

1月末にかかってきたこの一本の電話。。。

「そういえば、こばじろうさん、農地の生前一括贈与の猶予の手続きは

もうやりました?」

・・・

「・・・え??」

(あの生前一括贈与の手続きで終わったというか成立してないの;;?)

農地はおろか、土地なんて今まで持った事なかったし、

せいぜい知ってるのは毎年の固定資産税くらいの無知レベルでした。。。

 なんですかその手続きというのは・・・?と、聞くと、青ざめた役員が言う、

「生前一括贈与の猶予を受けるには、また別の手続きと審査がいるんです!」

「えええええええええええ@@;?」

しかも、面倒な事にまたここでも農業委員会の審査・許可がいるとの事w

「え・・?ちょっ:。。」

農業委員会の審査と言うのは毎月締め日が5日、その約1週間後に面接、

そして月末に審査会。と決まっている。(自治体によっては違うかも)

その許可を得た上で、またたくさんの書類を用意し、

最終的に確定申告と同じく、3月15日までに贈与税猶予の届け出を

しないといけないwwwwwらしい。。。

 つまり、次の2月5日までに農業委員会にその届け出をまずしなければ、

完全に書類が間にあわない。。。というかギリすぎる><;。

それ以外にも相当いろんな書類も用意しないといけないし。。

「パニパニパニックだった

そんなにまたしても面倒なのか・・・、どうすれば。。。

 悩んだ僕は、そこでさらに自分の無知さを知る事になりました。

無知というか、、、普通の人ならわかんない内容を知った;;。

 父となんとなく相談し、

自分はこう切り出した。

「農地と言ったって、たかが5、7反、贈与税なんて知れてる気がする。

だったらもう、それ払って済ませた方がいっそ楽じゃない?」って。

父もその方がもう楽で良いんじゃないかと・・・父も面倒くさがりだ。

 ところが、それを考えた我が親子は根本的に理解していない事があった。

毎年、「固定資産税の課税明細書」と言うのが送られてくる。

そこには「価格」「固定資産税課税標準額」という欄があり、

その価格を元に毎年の固定資産税を課税される訳だ。

なので、その価格自体が土地の評価額というか、土地の値段だと思ってた。

 それをすべて足しても、70万円も無かったので、それに対する

贈与税なんて知れてると思いこんでいたんです。。。

親子揃って・・・。

「それが大きな大間違いだった><;!」

 「これは固定資産税を計算する時だけの基準額であって、

贈与税を計算する場合は、この基準額では無いという事」

・・・え?

「土地を贈与や相続をする場合は、路線価などを元に、

この金額に倍率をかけた別の金額が基準額になるのです;;」

な、なんだとおおお@@;

 宅地は元々固定資産税が高い。なので、倍率をかけられても

せいぜい1倍~1、数倍程度。。。

 しかし農地は宅地と違い、固定資産税の面で優遇されてるから

倍率が高いという。。。

 これだけ把握したのも今だから言える訳で、当時はなんのこっちゃで

いろいろ調べても意味がわからなかった;;

で、

焦った僕はとりあえず市役所の農務課さんのトコに行ったんですが、

農務課さんも半分パニック状態w

なぜならこの、「農地の生前一括贈与の猶予申請」自体、

ここ10年市で受け付けた記憶が無いからだそうだw

そりゃそうだ、農地なんてだいたい相続>相続で受け継いでいく。

しかもこの程度の広さなら相続税が一切かからない。。

なのでわざわざお金かけて、しかも贈与税が絡むような生前贈与なんて

普通はしない。する理由もないからだ。

 給付金が絡んだので、こういった贈与手段に出た訳で、

それがなければ父名義のままで将来タダで相続すればいい。

なので、僕と担当の2人で役所内の資産税課?みたいな

それなりに詳しそうなトコに一緒に行って、一緒に説明を聞く事に。

 その土地、場所、区画、条件によっていろんな適用?基準があり、

1か所づつすべての倍率を調べてもらうというか、一緒に調べてもらった。。

 うちの農地は細かく区切られているので登記簿上では8箇所になる。

それぞれ倍率も基準も違ったりして、各農地ごとに慎重に調べ作業。

そして、、、

「ぶったまげた

なんじゃそりゃwwwって倍率w

例えば、ある1区画は790㎡。1反もない。

これの固定資産税課税標準額はたった46000円くらい。

それに対して計算される固定資産税は年間わずか652円。

こんなん見たら、素人なら誰でも安い土地だと思ってしまう・・・。

と・こ・ろ・が・・・

「この農地に掛けられた倍率は何と30倍ww」

つまり贈与税を計算する場合、x30倍で約140万円が基準額になる。。

完全に青ざめた・・・

こうやって、全8箇所、5,7反の贈与税の計算をする基準額は

ぶったまげの合計1300万円超え・・・・。

なので、1300万円の贈与として扱われ、それを基準に贈与税計算w

な・な・な・何という極悪なシステムなんだ@@;

 それを元に贈与税を計算したところ、、、

「ザッと380万円の贈与税」

画像

しゃ、シャレにならん・・・。。。

(年間150万の給付金どころの話じゃないぞ、これは><;)

 意地でも猶予してもらわないと、いきなりとんでもない借金地獄じゃないか;

もうね、給付金が通った事なんか頭の片隅に・・w

3月15日までに猶予申請が通らなければ、380万円の請求が来る;

 第一もう、農業委員会の期限まであと3日にまで迫っていた。

急いで農業委員会の申請書を死に物狂いで作り、ギリで提出。

それが月末に通っても、他に用意する書類は山ほどなので、税務署通い。

さらに給付金の申請が通ったのもギリギリ昨年末なので、

平成24年度分のほんのわずかな確定申告もして、それを

7月に給付金の継続審査に提出いけないという義務も生じている。

 初めての確定申告、訳のわからない贈与税の手続き。。。

それはもう、朝から晩まで税金の勉強・・・。

勝手のわかってる仕事、例えば僕なら農作業。これを20時間も

ぶっ通しでやっても疲れるのは体力のみ。

税金や法律関係なんて全く未知の勉強なんて1時間で頭がオーバーヒートする。

手引き書みたいなのをもらったが、書いてある事がまず意味がわからない。

画像

うん、何回読んでも言っている事がわからない。。。

 例えば添付書類の一つに、

「農地等のうち、平成3年1月1日において、首都圏、近畿圏及び中部圏の
特定市(東京都の特別市を含みます)の区域内に所在する農地又は
採草放牧地がある場合には、その農地又は採草放牧地が都市営農農地等で
ある旨又は市街化区域以外の区域に所在するものである旨の市長(区長)
の証明書」

・・・

訳わかんね~~よお~~

こんなん、専門家が専門家に説明する文章じゃんか・・・;;

 月1の病院・外出だけで精一杯なのに、2日に一回は役所行ったり、

税務署行ったり、図書館行ったりで、もう身体がボロボロに・・;

会議や打ち合わせとかは発作が出やすいので、避けたい所なんですが、

状況が状況だけに、行かない訳にはいかず、かなり無理をしてしまい、、、

元々体調不良からの急激なこの無茶行動だったので、2月だけで

運動なしで6kgも痩せました;;(ゲッソリ((+_+));;)

 そりゃまあ、こんだけ大変なので、会計士・税理士さんという仕事が

成り立ってるんだな~とも良くわかった;。。。

まあ、依頼したらだいたい20万~30万円くらいなんだってさ。。

そんなお金ないから、日々猛勉強、自分でやるしかないw

ユーキャンで税理士免許でも取るのかってくらい毎日税金の勉強の日々。

そして農業委員会の許可が下りたので、さっそく今日それを取りにいったら

農務課さんに言われましたよw

「累進課税の計算表とか、贈与の種類・相続の流れとか、

どんだけ暗記したんですか・・・・」って^^;。。

 たかが、、とは言いませんが、この給付金申請のせいで、

行政・司法・会計・税理、贈与・確定申告、、、などなど、、

まったく未知の世界の専門分野に相当猛勉強する羽目になった;。

「俺は何をやっているんだ・・・;;」と、たまに自問自答。。

(ただ、家庭菜園の延長でこのまま畑仕事をしたいだけなのに・・。)

お金をもらう作業と、お金を払わない作業のために、同時進行で

とてもじゃないが、畑仕事どころじゃないんだから・・・。

画像

 しいてこの長文をまとめるなら、


「農地が農地として動いている以上、国はかなり守ってくれる

ニコニコモードだ

しかしそれを、理由はどうあれ動かそうもんならハンパなく課税してくる

鬼モードだ

いい勉強になった・・。

 贈与税猶予にしたって、あくまでも猶予なので、

途中で僕が農地を放棄したら一気に贈与税&利子が襲ってくる。

 給付金といい、贈与税猶予といい、

「縛り」が凄い事になってしまったなあ;;。

ゆっくりのんびり自分のペースで農業やれたらいいな~と思ってたんだけど。

まあ、まずは贈与税の猶予申請が通ってからの話かな。。

通らんかったらいきなり380万円の支払い請求だからね;;

もし、通らなかったら暴れるwそして泣く・・・。

早く畑仕事に集中出来る状態に戻りたい

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (4件)

  • 猶予通らなかったらシャレにならない金額じゃないですかw

    そして内容が難しすぎるw
    頭の悪い僕なら頭から煙が出っぱなしですw

  • 宅地の倍率が大抵1倍とかその辺は知ってましたが、農地の計算倍率がそんなに高いとは知りませんでした
    恐ろしい贈与税ですね;;

  • ほえー、30倍ですか。
    ちょっと調べてみたら、農地としての区分は4つあって、
    http://www.nta.go.jp/taxanswer/hyoka/4623.htm
    たとえその「純農地」であったとしても、ざっくり言って都市部や市街地に近いほど倍率が高いみたいですね。

    http://www.rosenka.nta.go.jp/
    ここで、年/都道府県/評価倍率表・一般の土地等用/市区町村を選ぶと確認できますね。ちなみに実家を調べてみたら、純農地で、田で2.3倍、畑で3.3倍でした。相続の場合も同じ計算をするようなので(ただしそれなりの控除あり)、勉強になりました。

  • >Airさん
    頭から煙どころか火が出てます・・・。
    家にスプリンクラーがあったらきっと作動してますw

    >彦田さん
    ええ・・・、、あまりにも唐突で知らなかった事で、恐ろしすぎて無事何とかなるまで頭ハゲそうです。。

    >H2さん
    一か所づつ区分と倍率を調べるのが結構大変でした。
    たまたま見た隣町のとある地域の畑の倍率は42倍なんてのもありました。。。
    区分もありますが、各地域でもかなり細分化されて仕分けされています。○○調整区域、農業振興地域、市街化区域などなど。。
    2~3倍とかかなり低いですね;;?10~20倍当たり前って聞いたんですけど、そういう地域もあるのかしら。

    相続なら倍率かけた合計でも、たしか5000万円くらいまでなら相続税かからないので、よほどの事情が無い限り相続>相続がやっぱ普通でしょうね。
    農地の贈与なんてするもんじゃないです;

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