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パニック発作物語第5話「外出先包囲網」

 実体験で今でも忘れる事が出来ない出来事。

すでに発作を自覚し、通院をしていた当時、

1人暮らしでしたので食事は自炊かコンビニか軽い外食。

 ある日、近所の牛丼の松屋に入り、ハンバーグ定食を注文。

「注文した直後、発作がじわじわ出始めたのです・・・」

 パチンコ屋以外での初めて事でした。

もうじき料理が出るというのに、「あれ?あれ?・・・」と思ううちに

ほんの1、2分で椅子に座っているだけで精一杯に。

場所は違えどパチンコ屋の時と同じ状況になりはじめ、

それを意識してしまうので、一瞬でパチンコ屋の時の不安で

頭の中がいっぱいになりました。

前金なので、食べずに帰ったって別に罪じゃない。

でもね、パチンコの大当たりにしろ、外食にしろ、

「それなりに消化して自然に帰るという世間体があるのですよ」

いわゆる「周りの目」

 周りの目を気にせずに、発作の赴くままわがままを通せるのなら、

この病気は半分以上苦労しない。

「こんな外出先でもし発作が起きたら、周りの人は・・・?」

「救急車呼ばれたらどうしよう」

「おかしい人に見られたらどうしよう」

何より今自分は1人。助けは無い。

誰しもが思う。理性があるからツライ病気なんですから。

 この時の松屋のハンバーグ定食。二度とハンバーグは

食べれないんじゃないか?というくらいキツかった。

意識を保って座っている事だけで必死なのに、

それなりに飯を食べて、普通に店を出なければという重圧。

空間認知が狂いだし、目の前のハンバーグに箸が刺さらない!

茶碗も持つ事が出来ない。コップの水も掴めない。

「ひっくり返したらどうしよう・・・;;」

そんな不安も発作を加速させる。

時折、携帯をチェックする振りをしながら気分をそらすが、

すでに発作はピーク寸前で意識が飛びそうになっている。

渾身の力を込めて力づくで平静を装い、大半を食べ残し店を出る。

 ここから先は記憶が曖昧。

やっとの思いで帰宅し、そこに残った物。

「それはもう、今後1人で外食は出来ないという不安のみ」

なにも発作が起きる場所はパチンコ屋だけではない。

新たに外食と、あっという間に2つの外出が僕の生活の中で、

ブラックリストに入ってしまった。

「次はどこだ?どこに行ってはいけないんだ?」

そんな不安に襲われる生活を始める事になり、

それは実際、次から次へと形になっていく。。。

 本屋・銀行・レンタルビデオ・・・次々と一度でも発作が襲ってきた

場所は、あっという間に自分の外出先に×印が付いていく。

ましてや仕事も辞めた後の1人暮らし。。。

「いっそ入院したい。誰か自分を見張って欲しい。」そして、

「苦しくていい、誰でもいいからそばで見ててくれないか」

そんな事しか望むモノは無かった頃です。

 半ば強制的に引きこもらざるを得ない状態になりつつ、

それが後々、自分の中のいろんなものを、気づかないうちに

次々と壊して行く事になるのです。。。

*この物語はノンフィクションですが、見解・分析等については、
専門的な医学的な立場では無いので、あくまで実体験を元に
患者の立場で自分なりに出来る限りまとめあげたものです。

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 私も一人では外食無理です。
    いっぱいダメな事があるので
    引きこもってます
    これじゃあ いつまでたっても・・って思うのですが、どうしていいのかも解りません。
    お気持ち よくわかります。

  • 今後書こうかと思ってるテーマだったのですが、
    先に言いたいと思いました^^

    個人的な屁理屈かもしれませんので、
    お気になさらず・・・

    「いつまでたっても」

    「この際一生かかってこんかい!」

    って思うように僕はしました。

    「いつかは・・・」は、

    いずれ「いつまでなの;;?」に変わってしまい
    その瞬間、強烈なストレスになるんじゃないかなと思ってます。

    引きこもることに罪悪感を感じないで、引きこもってこそ出来る事も発見する事もあると思いますよ^^。

    僕は一時期引きこもったおかげで、パソコン操作おぼえたので、こうやってひろたんさんと会話が出来てると純粋に思っています^^

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