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父と息子の二人暮らし

 祖母が年明けの1月29日に亡くなり、

精神的にも肉体的にも、しばらくは何もせずに時の流れが

過ぎるのを待っていたい気持ちでした。

 しかし3月には一気に今年の野菜作りが始まりますので、

余り落ち込んでばかりいられませんでしたが、せめてそれまでは

僕も父も休養期間に当てました。

 休養と言っても、やるべきことは沢山ありました。

亡くなった祖母の身辺整理や家の片づけ。

そしてこれからは父との二人暮らしになるという事に

しっかり向き合っていかなければなりません。

 元々会社人間でした父なので、余り親子の会話や世間話も

無い親子関係だったので、何かこう、、、

「これからどうなっちゃうんだろうな・・・」

という不安は大きかったです。

今まで祖母が間に入って、家事や会話のクッションになって

何とか日常が送れていたので、なかなか難しい問題でした。

 まあ、コミュニケーションのぎこちなさは急にどうこう出来る

ものではないので、それは徐々にという事で、

まずは現実的に、合理的に、この古い一軒家での2人暮らしを

見直す作業です。

 父の部屋は2階、僕の部屋は離れ、そして玄関から中央にかけて

祖母の部屋・常にいる場所というバランスだったので、

祖母が居なくなることで家のど真ん中が空になります。

色んな意味でその抜けた穴は大きい。。。

 留守番が誰も居なくなるという事もありますし、

僕や父が在宅でも、来客・電話に気づかない事も増えますし、

はっきり言って、夜中に泥棒が家の中央あたりをウロウロしても

2階や離れにいる僕らは気づかないという不用心さも出てきた。

 こういった細かい事を一つ一つ解決していかなければ

とても生活しにくい家になってしまうのですが、

父は工夫とかアイデアを考えると言った作業が物凄く苦手で

そして無関心なので、もっぱら僕の仕事です。

 物の配置換え・家事の効率化、などなどやる事はいっぱい。

3人暮らしと4人暮らしはさほど変わりませんが、

3人暮らしと2人暮らしはだいぶ勝手が変わりますね;;。

 案外2人がお互い別々の事をしてるなら、色々分担出来るけど

2人揃って畑仕事がメインなので、一日のサイクルが一緒になる。

同じように疲れ、同じように手が回らない。

そこを祖母が補ってくれてたからこそバランスが取れてたんだと

つくづく思いました。

 2人だと、どちらかが疲れていれば、相手も疲れてる。

すると当然、お互い余計に気を遣うようになる。。。

 そうなってくると、分担ではなく、お互い自分の事は自分でやる

というような形に自然になっていきました。

まあ、確かにそのほうが気が楽なのかもしれませんね。

 2人だけなら風呂も合わせる必要もないし、

洗濯も自分がしたい時に個々にやればいいしさ。

 かといって、食事だけはそうはいかない。

元々僕の担当だったし、何より父は食事なんか作れない。

なので今まで通り僕が作りましたが、

なんかね・・・お互い変な違和感を感じて仕方なかった。。

 今まで家族3人が一緒に揃うのは夕食時くらいのものだったので、

夕食時に2人というのは、

強烈に祖母が亡くなった事を突きつけられるんです。

 追い打ちで、料理も今までの感覚が残っているので、

どうしても余分に出来てしまいおかずが残る。。。

 それがまた祖母の死を思い出させる悪循環。。

食べる人が一人減り、何かこう暗い事ばっか思い出してしまう事で

食事の支度をする僕の気持ちもだんだんやりがいとか

気力が、どうしても無くなっていきました。

料理って、食べてくれる人がいるからこそ、

頑張って作ろうって思えるものですからね;;

 父も父で、たぶん自分一人のために僕に食事の支度をしてもらって

申し訳ないなと思いつつあったのでしょう。

「今日はお茶漬けで食べとくから作らなくていいで」

とか、気を使いはじめるようになりました。

 はっきり言えば、夕食時に僕と父で顔を合わせても、

お互いまだ、何を話していいのか言葉に詰まる状況が

余計相手に気を使ったんだと思います。

 口を開ければどうしても互いに祖母の昔話になってしまう。

 それだけまだ、お互い祖母が亡くなった傷が癒えておらず、

僕も父も気丈に振る舞おうと無理してたのを、お互い感じて

いたのかもしれません・・・。

 

 「週に何回かは、いっそ夕食弁当にしようか」

そう切り出した僕に、父もそのほうがいいと言いました。

 精神的に参ってる状況で、責任感だけで食事を作ってる僕を

薄々感じていたのでしょう。

 ちょっとお金はかかるけど、それで良かったんだと思います。

僕も父も、自分自身の心の整理をつけるためには、

しばらくお互い無理に干渉せず、当分は一人の時間を大切に

時が解決するのを待つのも大事だと思いました。

 父も父で僕に対して、僕も僕で父に対して、

お互い依存してた事が多かった今まででしたので、

少しずつ、相手に依存してた事を自分でやれるようになって

いかなければいけないという、気持ちの切り替えが必要でした。

 細かい事を考えたり、口に出来ない父でしたので、

出来るだけ自分が考えて、自然とこの家が上手くなっていくように

毎日考えていました。

 じょうずにコミュニケーションが取れない親子ですが、

今までも、これからも協力していこうという意志はお互い

わかっていたので、焦らず無理をせず、

なるようにやっていこう、と、思っていました。

 3月になれば畑仕事が始まるので、その頃になれば

2人とも気持ちがそっちに集中するので、おのずと

気分も徐々に晴れるだろうと。。。

 
 晴れるだろうと・・・・。

気持ちも、この悲しみも晴れるだろうと・・・・。

 そう、信じていました。

 この時は。。。

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